初恋シグナル~再会は恋の合図~
「惜しかったね…。お疲れさま!」
コートの脇で応援してくれていた弥代からタオルと飲み物を受け取ったときには、弥代に笑い返す気力も残ってなかった。
「なんか…、痛い」
「あ!そ、そうだよ美祈、足…!」
思いだしたように弥代が声を上げたと同時に。
「きゃ…っ!?」
ふわりと、身体が浮いた。
「なになになに!?」
びっくりして顔を上げると、すぐ近くに不機嫌そうに眉を寄せた辻村くんの顔があった。
「え…!ど、どうして」
辻村くん、この時間はバドの準決勝じゃなかったの?
ていうか、何、この状況…っ!
キャーッ、という悲鳴のような声が周りから聞こえる。
……私、もしかしなくてもお姫様だっこされてる…!?