初恋シグナル~再会は恋の合図~


それからしばらく部屋で涼んだけど、なかなか身体の火照りが収まらなかった。


「ちょっと外出てくるね」


先に寝てていいから、と言い残して、私はひとり部屋を出る。


皆ももうへとへとで、眠そうな顔で送り出してくれた。



浴衣のまま廊下に出ると、部屋よりは幾分涼しい気がする。


私はより涼しい場所を探して彷徨い歩き、やがて自動販売機の横から中庭に出られるドアを発見した。


カラカラと引き戸を滑らせ、外に出る。



「……っ」


スーッと身体を撫ぜた、室内とは比べ物にならない冷たい風に、思わず身体を竦ませる。



寒っ!!


さすがにこれは寒い!!




「……何やってんの?」


そそくさと中に退散しようと方向転換しかけた瞬間、背後で聞こえたのは、ガコン、という自販機から飲み物が落下した音。


そして、呆れたような、辻村くんの声。


びっくりして、勢いよく振り返る。


< 289 / 424 >

この作品をシェア

pagetop