初恋シグナル~再会は恋の合図~
「祇園!?……へーえ。舞妓さんでも見に行くんだ?」
「は?」
「やっぱり辻村くんも綺麗な女の人が好きなんだね」
「何言ってんだよ」
辻村くんは訝しげに私を見たけど、私はぷいっと一瞬重なったその視線を思い切り逸らした。
だってだって!
辻村くんが舞妓さんときゃっきゃうふふしてるとこなんて想像したくないもん!!
「あれ、でもそういえば、昼間は本物の舞妓さんって見られないんじゃなかった?」
ふと、バスガイドさんがそんなことを言っていたのを思い出してそう訊くと、辻村くんは呆れたように溜息を吐いた。
「……あのな、祇園に行くからってなんで花街で遊ぶことになってんだよ。長谷川の頭にはそれしかないわけ?」
「はい!?」
「祇園の方に行くってだけで、フツーに寺社めぐりだから。……つーか俺、美人より可愛い派だし」
「!?」
ぽかん、と口が開いた。
「そこ、間違えんなよ」
キュッとペットボトルのふたを閉め、辻村くんはそう言って立ち上がった。