BLOOD§INFECTION




確認されているだけで、5体

政府はこれ以上の感染を防ぎたいみたいだ


ただでさえ日本は少子高齢化が爆発的に進み、現在では人口が激減している

出生率も以前目標を掲げていた2.0は夢のまた夢、1.0にも及ばない0.9の状態にある


これ以上、吸血鬼によって人口が減少すれば日本国はおしまいであろう


「わ、静か。」

「当たり前やろ、比奈千春も静かにせい。
いつ襲ってくるかわからんのや、気を緩めてると…。」


言葉の途中に神無さんの瞳が鋭く光る

「…こっちが殺られてまうで?」


言葉とともに放たれた神無さんの短刀は、俺の横を掠め、忍び寄っていたレベル1の吸血鬼に突き刺さる


「お、お見事。」

「今度からは自分の身は自分で守りぃな!」


どうやら俺が襲われかけていたらしい


自分でいっちゃなんだが、この不健康そうななりの輩を襲うなど物好きな吸血鬼もいたものだ




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