BLOOD§INFECTION








「なんとか、終わったようやな。」

「はっ、は…いきなりハード。」


ふぅ、と神無さんは息をついて短刀についた吸血鬼の血液をビュッときり、また足のフォルダーに納める


さすが上位ハンターたちだ

レベル1の吸血鬼程度では、死傷者は余裕で0であった


俺も目の力だけしか使っていなかったが、神無さんのフォローあってか無傷である


ただ、全力で息は切れているが


「なんや、比奈千春。
体力あらへんなー。」

「…うるさい。」



周りは吸血鬼の残骸の灰の山だが、この中には目標のレベル2は一体もいなかったようだ


「吸血鬼も少しは知恵がついたみたいやな。
まずは小手調べに下っ端に襲わせたってとこやな。
まぁ、こういう場合は近くに親玉がいる可能性は高いけど。」


神無さんがそういって、一人の女性に話しかける


「アンタ、超能力クラスの…たしか能力は千里眼やったな。
たぶん一匹は近くにおる、頼んだで。」


「はい、神無様。
お任せを。」



千里眼とかありかよ


俺も超能力をもってればな、と一瞬考えたが、首を横にふる


そしてそんなことをしていると、数発の銃声が響いた


音の持ち主は先程の女性だ


そして呻き声のようなものが頭上からして、巨大な影が近づいてくる


「落ちてくる!
あんたらすぐに避け!!」


あまりにも突然だったので、俺は動けずにいると素早く神無さんに引っ張られ、安全圏へと逃れることができた


「比奈千春って、すごいのか鈍臭いのかわからへんな。」


その呟きとともに、ドシンと先程まで俺達がいた場所に巨体が落下してきた



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