BLOOD§INFECTION
「!
皆、動くな…!!!」
近くからガサガサと何かが動き回る音がする
それも数箇所から
これは、動物が動く気配じゃない
鼻を掠める、渇いた血の臭い
「…だから…お前の指図なんて受けな…。」
「馬鹿!
動くなといっただろ!」
先程、剣先を俺に向けていた奴が、周りの気配に気づかなかったようで、俺の忠告を無視して後ろに後ずさった
好機、と思ったのか
その気配の目先が、一点に集中する
「!
くそっ!」
いきなり飛び掛かってくる俺に驚く奴は構わず、そのまま彼を抱えて跳躍する
跳躍のさなか、彼がいたところに目をやると、ズドドと鋭い爪が突き刺さっていた
「…吸血鬼、レベル2!」