BLOOD§INFECTION
そこでは、2体の吸血鬼が俺の跳躍した先を睨んでいた
しかも両方レベル2
姿が明らかにレベル1とは違っている
1体は元は、…人間だったころは女だったのだろう
華奢な身体つきで、長い髪
そして、通常のレベル1にはない背中に生えた渇いた血にまみれた翼
もう1体は、性別はわからない
全身が岩のようなものに覆われていて、奴が踏んでいる地面には重みで亀裂が走っている
「…来たな。」
俺に抱えられた男の顔が強張る
もしかしたら死んでいたかもしれないことを考えているのならば、その反応は当然である
「構えろ…!!!」
俺が後ろにいるパーティーのメンバーに声をかけると、後ろのメンバーたちはその襲撃に動じずに構えた
「…あんたもいける?」
俺が声をかけると、彼は先程まで震えていたが、ぐっと口を引き結ぶと、笑った
「と、当然。」