BLOOD§INFECTION





そこでは、2体の吸血鬼が俺の跳躍した先を睨んでいた


しかも両方レベル2


姿が明らかにレベル1とは違っている


1体は元は、…人間だったころは女だったのだろう

華奢な身体つきで、長い髪

そして、通常のレベル1にはない背中に生えた渇いた血にまみれた翼


もう1体は、性別はわからない


全身が岩のようなものに覆われていて、奴が踏んでいる地面には重みで亀裂が走っている


「…来たな。」


俺に抱えられた男の顔が強張る

もしかしたら死んでいたかもしれないことを考えているのならば、その反応は当然である

「構えろ…!!!」




俺が後ろにいるパーティーのメンバーに声をかけると、後ろのメンバーたちはその襲撃に動じずに構えた


「…あんたもいける?」


俺が声をかけると、彼は先程まで震えていたが、ぐっと口を引き結ぶと、笑った

「と、当然。」





< 68 / 82 >

この作品をシェア

pagetop