幼なじみはイジワル彼氏
教室の隅の方で聞こえた、聞き覚えのある声。
声がする方を向くと、優奈(ユウナ)だった。
俺が振り返ったからか、ブレザーを引っ張っていた女は諦め、解放された。
「さんきゅ、優奈」
「いーえ。あの子めんどくさい子だし」
「ハッキリ言うな、オイ」
「だってホントのことでしょ?」
女って怖っ……。
あ、優奈ってのは菜々の中学からの友達で、何かの流れで俺も仲よくなった感じ。
男女関係なく仲よくできてサバサバしてるから、他の女と違って付き合いやすい。
「つか菜々は?」
看板のペンキをただ黙々と塗る優奈に聞いてみた。