恋をしたのは澤村さん


「かーわーいーいー!
見て島津木くん!アザラシかわいいよ!!」

「そうだね」

「あ、ニモもいる!!」

「田中さんって子供みたいだね」

魚や動物を見て喜ぶあたしを見て島津木くんはそういった。
とても珍しいものを見るように。

「お父さんもお母さんも忙しくてこんなところほとんど来たことなかったから」

久しぶりに来た水族館にテンションが上がった。

「あ、クラゲ!」

「発光するやつみたいだ」

「発光?」

「電気消したら、こうやって…」

パチンと水槽の電気を消した次の瞬間、掌サイズにも満たないクラゲたちが赤や緑にポツポツと発光した。

「きれい~…。月みたい」

「実際、月って書くしね。
うみつき、って書いて海月」

「それくらい知ってるよ!
でも、キレイ」


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