蓮華〜流レルママニ〜

彼氏



「千草〜!!」

この大きな声は神名だ。いつもは私たちがCクラスに迎えにいくのに、今日は珍しく向こうからやって来た。

「あ、神名。今日は早く終わったんだね」

「うん。…てアンタ何でそんなに顔赤いの?…風邪?」

え?
私…顔赤いの!?
これは病気だ…

「私が風邪なんてひく訳ないでしょ〜」

「そりゃそうだね。千草が風邪なんてひいたら、私や凛音は死んじゃうわ」

「…どういう意味?」

「体の丈夫な千草を侵す程の強力なウイルスなら、私や凛音はイチコロだろうなって事」

あぁ…さいですか。って、
私は鉄腕アトムですか?

「って、勘のいい千草にわざわざ説明しないと伝わらないなんて、もしかしてホントに風邪?」

「だから違うって、これは蓮が…」

「…蓮クン?」

「あ、いや何でもない!」


私は何を口走って…
これは本当に風邪ひいたかな…。

「あっ!そうそう!こんな事してる場合じゃないよっ!!」

急に慌て、興奮しだす神名。

「どしたの?」

「凛音がね、彼氏を初御披露目してくれるんだって〜!!」


「ホントにっ!?」

「うん!校内じゃ恥ずかしいから、校門を出てすぐの桜華の花道で一緒に待ってるって!!」

「うわぁ、それは早く行かなきゃっ!!」

私たちは、駆け足で学園を飛び出た。
いよいよ凛ちゃんの彼氏さんが見れる!

どんなかなぁ…
楽しみっ。
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