real world
ルールは簡単。
答えを出せばいい。
時間以内に。
―私達が死ぬか、
『ファイル』を渡すか。―
現在p.m.11時。
「『ファイル』を渡したとして、神楽はどう出るつもりなんだろう。」
「わからない。いっそ、壊してしまえばいいんじゃ…?」
「ダメ。消されるだけだぞ。奴の狙いは『ファイル』と前田っていう存在そのものだ。」
つまりは、相楽との関係を立証出来るすべてが狙いらしい。
DNAと、その検体。
それを使って神楽がなにをしでかそうとしているのかは不明。
頭が壊れそうだ。
もやもやした重い霧が私の頭を潰そうとしている。
そういや、薬…最近必要ないから、飲んでなかったんだけど、やばいかも…
「うわっ花音ひでぇ顔色してるぞ!?大丈夫か?」
「う、うん。大丈夫…多分。私、もうね…るね…?」
言い終わったかどうか自分でも分からないうちに、私はまどろみの中に落ちた。