突然現れた王子
そして、あたしの方に振り返った。
あたしは固まったまま、動けなかった。
「啓太の…彼女さん?」
母親が、優しく微笑みながら、あたしに問いかけた。
あたしは首を縦に振ることも、
横に振ることも、
できなかった。
黙って下を向く。
あたしって、ケイタにとってなんなんだろう?
友達? 恋人?
分からなくて、何も言うことができない。
「来てくれて、ありがとね」
あたしはありがとうと言う言葉に、思い切り首を横に振った。