突然現れた王子
ありがとう、なんて、
言われる立場じゃない。
あたしはケイタのこと、何も知らないのに。
なのに、ありがとうなんて…
あたしは、口を開いた。
「あの………」
なかなか言えなくて、
口を開いたり閉じたりしていた。
そんなあたしを、笑顔で待ってくれるケイタの両親。
「ケイタ…くんが目覚ますまで…
ここにいていいですか…?」
今のあたしは、ケイタの意識が戻るのを、待つしかできない。
待つことしかできないんだ。