突然現れた王子


少し暗めの声で挨拶を交わす。

あたしは自分の定位置に座ると、用意されていた食パンをかじった。


もちろん隣にケイタは………いない。


「アユ、昨日どうだったの?」


あれから、あたしは疲れてそのまま眠ってしまった。

だから母親には何も言っていなくて。


あたしは母親から視線を逸らしたまま答えた。


「ケイタ…いたよ」

「いたの?
どんな状態だった?」

「あたしが行ったときは…危ない状態だった…」


あたしの口調は次第に暗くなる。




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