突然現れた王子
「もうっ、なんでよりによって今日なのっ?
本読み当たって困ったんだからー」
「まじで悪かったって。お詫びに今日宿題手伝うし」
顔の前で両手を合わせるケイタを横目で見る。
宿題という言葉に反応してしまうあたし。
「…仕方ないなぁ~。許してあげるっ!」
「おっ、まじで? サンキュー」
勉強ができるらしいケイタの言葉に、あたしは簡単に許してしまう。
こんな甘くてこの先やっていけるのかな?
なんて心配に思ったり。