突然現れた王子
「ほら、ご飯できたわよ」
母親がテーブルにおかずを並べながら言った。
「あっ! 唐揚げだぁ!
やったっ!」
お皿いっぱいの唐揚げを見たあたしは、
笑顔で自分の席に座った。
ケイタも後を追って隣に座る。
あたしは唐揚げを自分の皿に取ると、ケイタにも取ってあげた。
「おっ、サンキュー」
「どういたしまして」
あたしは唐揚げをひとつ、口へと放り入れた。
ジューシーな唐揚げの味が、口の中へと広がる。