突然現れた王子


あたしはケイタから服を受け取った。

その時に指と指が触れ合った。


あたしは手を勢い良く引いてしまって、服が床へと落ちてしまった。


「あーあ、何やってんだよ」

「ご、ごめんっ」


さっきの店員さんが“彼女”なんて言うから、変に意識してしまう。


下を向くあたしの顔を見て、ケイタが心配そうに言った。


「アユ?
顔赤いけど、どうした?」


そう言って顔を覗き込むケイタ。


「な、何でもないっ!///」


あたしは恥ずかしくなって顔を逸らしてしまった。




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