夢の欠片
なんとか本田君に追いつき、そのまま一緒に走り続けた。
「何でお前着替えないで出てきたんだよ」
「そんなことしてる間に羚弥君が大変なことになるかもしれないでしょ!」
「まあ、そうだけどよ。そんなら二手に分かれた方が良くねえか?」
言われてみればその通りだった。
「確かにそうね。じゃあ、そっちの道は任せる!」
「おう!」
本田君と別れた後、私は学校の近くまで走って来ていた。ただ、学校には絶対にいないと思い、行かないでやり過ごすことにした。
過去を思い出したのなら、忘れた後に来た学校に来ることはないはず。行くとすれば、包丁があるから、恨みの対象の人物がいる場所へ行くはず。
ただ、その場所の検討がつかない。やっぱりがむしゃらに走るしかないのだろうか。そうなったら考えても無駄だ。
「羚弥君!」
何度も呼んでは走り、足がもつれてつまずいては起き上がった。
「羚弥君どこー!!」
大きな通りにはいないかもしれないと、小さな裏路地に回った。
「お嬢ちゃん、俺も一緒に捜してやろうか?」
途中、いかつい男が接触してきたけど、非常に鬱陶しかったので、手で突き飛ばして「うるさい!」とあしらった。
「羚弥くーん!! はあっ、はぁ……れい……」
再び大きな通りに出て、同じように呼びながら捜していると、異常な目眩が襲ってきて、思わず私は倒れた。目が霞む中、身体から異常な汗が出ているのを感じた。
「何でお前着替えないで出てきたんだよ」
「そんなことしてる間に羚弥君が大変なことになるかもしれないでしょ!」
「まあ、そうだけどよ。そんなら二手に分かれた方が良くねえか?」
言われてみればその通りだった。
「確かにそうね。じゃあ、そっちの道は任せる!」
「おう!」
本田君と別れた後、私は学校の近くまで走って来ていた。ただ、学校には絶対にいないと思い、行かないでやり過ごすことにした。
過去を思い出したのなら、忘れた後に来た学校に来ることはないはず。行くとすれば、包丁があるから、恨みの対象の人物がいる場所へ行くはず。
ただ、その場所の検討がつかない。やっぱりがむしゃらに走るしかないのだろうか。そうなったら考えても無駄だ。
「羚弥君!」
何度も呼んでは走り、足がもつれてつまずいては起き上がった。
「羚弥君どこー!!」
大きな通りにはいないかもしれないと、小さな裏路地に回った。
「お嬢ちゃん、俺も一緒に捜してやろうか?」
途中、いかつい男が接触してきたけど、非常に鬱陶しかったので、手で突き飛ばして「うるさい!」とあしらった。
「羚弥くーん!! はあっ、はぁ……れい……」
再び大きな通りに出て、同じように呼びながら捜していると、異常な目眩が襲ってきて、思わず私は倒れた。目が霞む中、身体から異常な汗が出ているのを感じた。