夢の欠片
あれから一週間後、お姉ちゃんはお腹に包帯を巻いた状態で帰ってきた。


一時期どうなるかと思ったけど、病院で命に別条はないと医者から聞いて、とても安心したのを覚えている。


羚弥君はあれから警察にいろいろ訊かれたみたいで、今までの過去の内容も含めて全部話したって言っていた。でも、親がいなくなったら親戚に引き取ってもらうのが原則らしくて、残念だけどここからはいなくなってしまった。


でも、これで良かったんだよね。きっと。


「第二回カレーパーティー! イェーイ!」


ちょっと羚弥君のことで沈みがちだった私に、お姉ちゃんがそう言って「手伝ってー」と手を合わせて頼んできた。


「何でまたカレーパーティー? 退院祝いじゃないの?」


時期的にそうじゃないかと思って笑ってそう言うと、お姉ちゃんは首を横に振った。


「ちょっと違うかなー。さっき電話があってね……」


「え!?」


お姉ちゃんがコソッと言ったその内容は、私を驚かせるには充分すぎるものだった。
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