風紀委員と二重人格優等生
そんな私の思いとは裏腹に、白石は毎日のようにやってくる。
朝は必ず校門で会うし、帰りは風紀室までやってくる始末。
現に今も、さも当然かのように白石は風紀室に入り浸っている。
「…………おい、何故ここにいる?」
「何って……勉強しに。」
ニコッと微笑む白石は机に教科書を広げていた。
「ここでやるな!図書室があるだろう!」
「ここでやる方が捗るんだ。ほら、ここには奈美さんがいるから。」
「私と勉強は何の関係もないだろう。」
「あるよ。ご褒美、あった方が人間って頑張れるから。」
「…………お前、馬鹿だろ?」
「これでも上位三位から外れたことないよ?」
思わず溜め息をついて頭を抱えた。
だめだ、コイツに話が通じるとは思えない。
何だって私に関わってくるんだ………。
「ところで奈美さんは何してるの?」
「私は委員会の資料作りだ。来月は文化祭も控えているからな。警備も強化しないと」
「ふーん……」
まるで興味がなさそうな反応に、文句を言おうと資料から視線を上げると、白石は真っ直ぐにこちらを見ていた。
顔が整っているだけに、表情がないと迫力が増す。
白石は徐に立ち上がり、ゆっくりとこちらに近付く。
「な、なに……?」
白石は何も言わず、私が使っていた机に両手をつく。
「この前の約束、覚えてるよな?」
さっきとは違う低い声と雰囲気。
「一人で危ないことはするなよ。」
「…………………」
「もし、約束破ったらーー」
力強い指先が、私の顎を掴む。
「ーーーもう一度、その唇奪っちゃうよ?」