風紀委員と二重人格優等生
瞬間、私は手を払い除けた。
「そう簡単にいくか。この前みたいな不意打ちは二度と掛からない。」
「へぇ、じゃあ常に警戒してた方がいいかもな?空きあらば、俺に奪われちゃうからね?」
冗談めかしく言いながら、白石は元の位置へと戻っていく。
「そう言えば、奈美さんのクラスは文化祭何出すの?」
「確かクレープと言っていたな。正直、風紀委員の方が忙しくて、クラスの方は任せっきりだ。」
「でも当日売り子ぐらいはやるんでしょ?」
「まぁ、そのぐらいはな……」
「じゃあ買いに行くよ。」
ニコッと笑い白石は言う。
「…………そんなに甘いものが好きなのか?」
「うーん、別に嫌いじゃないけど特別好きでもないかな。でも奈美さんが接客してくれるなら、絶対行くよ。」
「来るな。絶対来るな。」
「そう言われると行きたくなるのが人間の性だよね。」
微笑まれれば、私は溜め息をつく。
「そう言うお前は何をするんだ?」
「確か手作りのアクセサリーを売るって言ってた。女子達が盛り上がってたよ。」
クスクスと笑う白石は楽しそうだ。
「女子が作って男子が売り子か?」
「多分そんな感じかな。」
「お前もやるのか?」
「ん?まあ、そうだね。もしかして奈美さんも来てくれるの?何ならシフト教えようか?」
「………いらん。私はアクセサリーなんて着けない。」
「似合うと思うけど……。ストラップとかも作るらしいから、ちゃんと来てね。僕の店番の時に。」
誰が行くか、と口に出そうとして止めた。
どうせまた屁理屈が返ってくるだけだ。
手元にある資料に視線を移す。
文化祭……何事もなく終わればいいけどな……。

