―奏― 君に捧げる愛の歌
あれから一週間―
学校帰り、メトロへ向かう足が重い。
あのときの俊の怒った顔――
私には踏み込むことができない俊の心の傷――
私が助けてあげたい、なんて・・・
そんなこと思っちゃいけなかったんだ――
「・・・つっ」
その時、胸に激しい痛みが走り、私はその場にしゃがみこんでしまった。
鞄の中に入っている痛み止の薬を探す。
だが、痛みはどんどん強くなり、
しゃがんでいることさえできない私は、その場に倒れてしまう。
私に様子に気づいた通りがかりの人たちが駆け寄ってくる。
私の意識はだんだん遠退いていった――・・・