* another sky *
嫌われないように、みんなと同じになるようにって、自分を抑えて…。
そうやって、努力してもね、…。
結局、よそ者はいつまで経ってもよそ者なんだよね…。
本当はね、初対面からどんどん踏み込んで、近づいてくる人は、苦手なの。
一定の距離がないと、怖いんだ。
こんなこと、誰にも言ったことないんだけどね…。
あはは。
実は、私、結構、人見知りなんだ。
こんなこと、誰にも言ったこと、ないよ。
航太には、何か何でも話せちゃう。
全部、受け止めてくれるから、安心しちゃうのかな。
肌に伝わる、穏やかな心臓の音に癒されて。
不器用で、素直に甘えることも出来ない玲が、俺に話してくれたことが嬉しくてしかたがなかった。
俺だけ、――――。
俺だけが、玲の心に寄り添える。
溢れる愛しさに、身体中が震える。
そばにいて、守ってあげようと誓ったのは、この時だ。
確かに、思い返せば、そうだった。
玲に引き寄せられて。
玲の太陽のような笑顔に魅せられて。
俺は、何度も踏み込もうとしたけれど。
近付けたかと思ったのに、また、目の前には高い壁が出現して。
いつの間にか、また距離が開いてしまう。
いつもどうやって声をかけよう、とか。
どんな話で切り出そう、とか、ずっと考えてたっけ。