* another sky *

「…あの時。

あんな情熱的なキスしてさ。

あのせいで俺、忘れられなかったんだけど。

俺の玲じゃもう、ないんだよなあ。」


―――――!!


は、――?


今、何て??


「そう。玲はいつも真っ赤になって可愛かったのに。

いつのまにあんな情熱的なキスが出来るようになったんだろうと思うと悔しいよ。」


情熱的な、キス??


悔しい??


どういうこと、だ?


忘れられないぐらいの、情熱的なキスを、


いつ、したんだ???




あの時だ、―――!!




病院で、会ってきちんと話が出来たと言っていた、あの日。



俺に、残酷なメールをしてきた―――。




あの時だ。




まじか。



そう、だったのか…。



だから、玲は…。



「…まじ、…か。」


声を上げそうになって、思わず口を抑える。



「綺麗になったな、凄く。」



黙れ。


うるせーよ。



「ほんと? 嬉しいなっ。」


あーあ。


無邪気に笑っちゃって。


何で、あいつが言ったことにいちいち喜ぶんだよ。

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