「すき」だらけ


教室を出てすたすたと歩きだす辻宮。


許さない。今更拒絶するなんて。



あんたにはまだ教えてもらわなきゃいけないことがあるんだから。



あたしは廊下にでて空気を吸って勢いよく叫んだ。





「辻宮隼人!!
おじいに言いつけてやるんだから。あたしを無視して帰ったっておじいが聞いたら絶対に怒るよ。もう今日からおじいの元で、あたしの寺でお経の勉強でもしろーっ」





辻宮が振り返る。っていうかみんな廊下見てる。



あーあたし何言ってるんだろ。



あーもう嫌だ。



しかも1番知られたくないことまで暴露しちゃうし。
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