True my self -本当の自分-
私は、ひたすら後ずさっていた。
「来ないで…来ないで…よ…!!!」
ただ、怖くて怖くて怖くて…。
―――もう、どうにでもなれ。
そう思ってしまった。
そして、私が落ち着くころに暖か過ぎる優しい声が上から聴こえてきた。
「…麻愛李…こめんな……思い出させたよな…ごめんな、ごめん…。」
あぁぁ。
―――もう、終わったと思った。
こいつにパニックに陥ったところを見られてはいけなかったのに、きっと。
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