True my self -本当の自分-
…もしかしたら、こいつは敵かも知れない。
…もしかしたら、こいつは“あいつ等”の仲間かも知れない。
そんな考えが脳裏を過り、全身が震えあがった。
もしこいつが私の敵だったとしたら。
一番の弱点を知られてしまった私は、もうきっと生きる気力すらなくなってしまうだろう。
そんな考えのせいで、私の中の“こいつは敵”と言う思い込みを、より深いものにさせた。
私は目の前に人間が居ることすら忘れ、一人ヒョロリと立ちあがって真っ直ぐ家に向かった。
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