カゼヒキサン。
緊張で、静かになるあたし。

いや、これはね、誰でもね、ドキドキするね?

「エライエライ。」

そう言って、階段をまた昇りだす。

本人、絶対気付いてないんでしょ!?

こんなにドキドキしてること、気付いてないんでしょ!?

ずるいだろ…!!


ガチャ…

予想通りそこは…

「うわーぉ。マジで汚いね。」

「オブラートに包め、オブラートに!」

確かに汚いけど!!


雑誌やら、服やら、漫画やらでグチャグチャの部屋。



「ベッドはあそこね。」

すっ、と指さすあたし。

…ちょい、いろんなもので隠れているけど。


「よいしょ…。」

ボフ、とあたしをベッドに置く。

「ふ~。」

「なにその『重かった』的な反応。」

「そんなことないよ☆瑞希は軽いよ☆」

あたし達二人のお気に入りのアニメの、ヒロインキャラのやるポーズを真似る海斗。

「海斗はキモイよ☆」

やり返してやる。

「んだと!?…ていうか瑞希、体調どう?結構バカ瑞希に戻ってるけど。」

「バカ瑞希とは…失礼な!」

…とか言ってるけど

「頭痛くなってきた。」

「どれどれ。」

そういったあたしのおでこに、海斗が手をあてる。

どき、ってした。
< 13 / 138 >

この作品をシェア

pagetop