カゼヒキサン。
30分くらいたったころだった。


「は、ハァ…ハァ…。」

「海斗!」

交番の目の前に海斗が現れた。

「海斗、だいじょうぶ!?」

「ハァ、ハ…瑞希!!」

海斗はすぐこっちにかけ込んで来て、あたしの肩を掴んだ。

「大丈夫か?ごめんな、俺置いてっちゃって…。」

「だ、大丈夫だよ…。」

「はぁ……本当によかった…。」



「あーら、大変ボーイフレンド。ビショ濡れね。」

メグちゃんがタオルを持って、優しく海斗をふく。。

「瑞希、この人は…?」

「戸島恵さん。あたしを助けてくれた警察官さんだよ。」

「どうもっ、メグちゃんこと恵でーす☆よろしくねボーイフレンド。」

「どうも、海斗です。」

ぺこり、と海斗がお辞儀する。

「うふふっ」


ガチャ

ドアが開く。


「恵、手ぇあいた?」

「け、啓介っ!」

「…誰?」

メグちゃんは顔を真っ赤に、海斗はポカンとした顔で啓介さんを見る。

「啓介さん。警察官だよ。」

「お迎え来たのね。よかったよかった。」

啓介さんが笑う。

それにメグちゃん、ドキドキドキドキ。

「あ、あたし…最後にこの子の熱もっかいはかってからいくね!」


「…早く来いよ?」

ドキィーッ!!

これにはあたしもドキドキ。

少しイラついたように…例えば自分の彼がこんな顔したら

……嫉妬してる、って思っちゃう…けど、いいのか!?

「…なんで。」

メグちゃんがやっぱり顔を真っ赤にしながら言う。

「………仕事おわんねェんだよ。」



啓介さんはそう言って、部屋を出た。
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