INそしてOUT
「自首したら消えるのか?」
男は、そこで初めて姉を見た。姉はもう一度首を縦に振る。

「わかった」
限界だったのだろう
男は目つきも鋭く立ち上がり

「すぐそこに交番がある」

それだけ

それだけ言って振り返りもせず、僕の前から去って行く。

「あ…」

姉も僕の存在を忘れているように男の後を追う。

僕は動く事も出来ず、座ったままガラス越しに見える交番を見守っていた。

すると
男はためらいもせず中に入る。


そして

姉は……。
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