竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
よしっ、今日はマグロとわけぎのぬたあえにしよう!
小学生の頃から食事を担当しているエリは、直子と別れ、駅への道を急ぐ。
母と住む2LDKのマンションは、電車を降り駅から徒歩10分だ。
帰り道に小さな商店街もあるので、夕食のための買い物もできる。
エリは母の大好物を作って、最近感じている距離をつめる作戦に出た。
そして『母の恋』について聞いてみるつもりだった。
もし万が一、その人と結婚とかそういうことを考えているのなら、いつまでも「いやだなぁ……」とうじうじしているわけにもいかない。
そうなったら私だって無関係ではいられないのだから。
買い物を済ませ家へと向かっていると、マンションのすぐそばに車が停まっているのが見えた。
車に詳しいわけではないけれど、ピカピカに光っていてとてもきれいな車だった。
きっとお金持ちの車だね、うん。
隣を通り過ぎ、部屋へと戻る。