竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
大事な話って……。やっぱりそういうことだよね。
大変なことになってしまったと思いつつも、母親から切り出してくれたことにエリは安堵していた。
きっと大丈夫。例え、もし万が一恋人を作ったとしても、母は私を見捨てたりなんかしない。
私の日常はなにも変わらない。
――――……
「え~、もう、帰んの?」
彼氏であるマー君が、ベッドの中から、いそいそと下着をつけるエリを見上げた。
「うん、ちょっと」
まだ帰るには早いけれど、頭の中は母から何を聞かされるのかそのことばかり気になって、一刻も早く帰りたいと気が焦っていた。
「ふぅん……」
マー君は枕元に置いてあったスマホを引き寄せ、いじり始める。
彼の手元をちらりと盗み見たけれど、覗き見防止シートを張っているようで、何を見ているのかはわからなかった。