竜家の優雅で憂鬱な婚約者たち
――――……
「女のくせに、荷物これだけ? よっぽど俺たちのほうが衣装もちじゃねえの?」
「シンプルに生きると言っても、限度がありますよねぇ……」
頭にタオルを巻いたタオルを取りながら、花沙と月翔が部屋の前に立ち尽くしているエリを振り返る。
「なにぼやっとしてるんです?」
「働かないとメシ食わせないからな」
「はっ、はいっ……!」
それまで呆然と、運び込まれる荷物を眺めていたエリだったが、二人に言われて慌てて段ボールをガムテープを外しにかかる。
どうしてこうなった――
頭の中にはその疑問しかない。