幼なじみじゃイヤなんだ。~誓いのキス~
「あ!今日は早かったね!おかえり~」






桜は俺の肩越しに、扉の前に立っているだろう人物を見つけて、笑顔を作ってる。




さっきの大きな音は、俺の部屋の扉を開けた音で、桜を呼んだ人物は…




俺はその人物に背中を向けている状態だけど、振り向かなくてもそこに立っているのが誰なのか分かるし、今は振り向きたくもない…



だから、俺はその人物に背中を向けたまま、小さく溜息を漏らした。






「あらら……ごめんね。もしかして、いい所だった?」






そう言いながらも、そいつは一向にその場所から動こうとしない。


空気を読めよ!空気を!


それにあれだけ毎回、『部屋に入る前にはノックしてくれ』って頼んでいるのに…






「藍ちゃん、そんな所に立っていないで中に入っておいでよ。ね、流瑠」


「…桜ぁ…」






無邪気に姉貴を手招きする桜に、思いっきり情けない声が漏れた。


ついさっき、あんな大胆な事を口走ったのに、そんなこともすっかり忘れたかの様に、桜は姉貴を見てニコニコ笑っている。


まぁ、さっきの桜の言葉も、本人に取っちゃ、俺を誘ってる。とかじゃなくて、素直にその言葉通りに、“すごいキス”を知りたかった。ってだけのことなんだろうな…。



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