ラララ吉祥寺

後産を終えた芽衣さんは、いきんだせいか赤い顔をしていたけれど、生まれたばかりの赤ちゃんを胸に抱いて幸せそうだった。

「文子さん、木島さん、ありがとうございました。

わたし一人じゃ、ちゃんと産めなかったかも」

そう言って涙ぐむ芽衣さん。

「何言ってるんですか。一番たいへんだったのは芽衣さんですよ。

僕達はそのお手伝いしただけです。

立派でした」

木島さんは毅然としてそう言った。

「疲れたでしょ、ゆっくり休んで。明日改めてお見舞いにきます」

口数が少なくなったわたしに代わって、木島さんが芽衣さんに別れを告げた。


「文子さん? 大丈夫ですか?」

「ちょっと疲れました」

「無理もないです。早く帰って休みましょう」


駐車場までの道すがら、木島さんはわたしを気遣って、肩を優しく抱き寄せた。
< 152 / 355 >

この作品をシェア

pagetop