ラララ吉祥寺

ジュウ……、っと肉の焼ける音と香ばしい香り。

思わずお腹がグゥと鳴った。

栄養学的にどちらが優位がわからないけど、今は目の前のお好み焼きに軍配をあげる。

更に待つこと数分。

肉の乗った面を表に返して、そこにお好みソースを網の目状にかけていく。

そして、マヨネーズ。削り節に青海苔。

表面の熱に踊る削り節。

プレートにはみ出したソースが音を立てて焦げ、香り立った。

う~ん、もうたまらないっ!!

木島さんは大皿に焼けたお好み焼きを取ると、素早く二枚目の生地をホットプレートに丸く広げた。

「さ、熱いとこ、頂きましょう!」

大皿を挟んで、お好み焼きを双方から食べ始めた。

ふっくら焼けたお好み焼きの中はほんのり甘いキャベツの味、外はカリカリの豚バラが香ばしい。

「ふふぁっ! 熱いけど美味しいです」

わたしは口の中を火傷しそうになりながら、お好み焼きを頬張った。
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