ラララ吉祥寺
改めて、一人で彼に向き合ったわたし。
「dragonさん、始めまして。
わたしは山本文子と申します。
今日はわたしの出した広告を見て、貸し部屋の見学にいらしたんですよね?」
「ええ、まあ、そうなんですが……」
「でしたら、先ず、お部屋をご覧ください」
「でも、いいんですか?
お見受けしたところ、現在は女性お二人でお住まいのようですし。
僕は男なので、ご遠慮した方が良いのでは?」
彼は至極常識的な見解を述べた。
でも、わたしにはわたしの理屈があった。
「わたし、広告に性別条件は付けませんでした。
たまたま、先に入られたのが女性だったというだけで、この先も男女の区別で同居人を決めるつもりはありません」
そう、あれは練りに練った結果の、必要且つ最低限の募集用件だったのだ。