ラララ吉祥寺
洗濯機の上に、芽衣さんの下着と部屋着が用意されていた。
身体を拭いたタオルでユニットの床を拭き、芽衣さんの足を持ち上げた。
ショーツを片足ずつ履かせ、身体を自分に預けて少し浮かせる。
う~ん、老人介護ってこんな重労働なんだろうか、と一人心の中で唸った。
上着に腕を通し頭から被せた。
ズボンはショーツ同様、片足から。
芽衣さんが普段の部屋着姿に変身する頃には、わたしの額には汗が滲んでいた。
芽衣さんが倒れないよう、首と腰にタオルをかませ、わたしは冷たいドリンクを取りに台所へと走った。
プラコップにストローを挿し、冷蔵庫にあったオレンジジュースを注いだ。
「芽衣さん、オレンジジュース。ストローで飲んでみて」
「ん……」
とストローを口に咥え、その中を液体が通過するのを確認した。
意識はある。
救急車は呼ばなくて大丈夫かな。
そして、その場から木島さんにメールした。
『緊急事態発生至急戻請』
『了解』
程なく返信が来てホットした。
彼の行動は早い。