ラララ吉祥寺

わたしは脱衣所に戻り、棚からバスタオルを二枚取り出した。

ユニットに戻り、彼女の身体を一枚のタオルで巻いた。

濡れた髪とタオルから出た身体をもう一枚で急いで拭いて、もう一度芽衣さんに声をかけた。


「芽衣さん!」


それでも返事は返ってこなかった。

わたしはもう一度脱衣所に戻り、今度はハンドタオルを冷水で濡らした。

ユニットに戻り、冷たいタオルを彼女の顔に当てる。

冷たさにピクリと反応したのを見届けて、もう一度声をかけた。


「芽衣さん!」

「う……、うぅん……」

薄っすらと目を明けた彼女に更に問いかけた。

「わたしが誰だかわかりますか?」

「ふみこ……、さん」

「芽衣さん、お風呂でのぼせたみたいです。立てますか?」

「む……、り」

ぐったりとした彼女を抱えて運ぶ力はわたしにはない。

取り敢えずここで彼女を着替えさせて、木島さんの帰りを待とう。

わたしはそう決めて行動を開始した。
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