ラララ吉祥寺

これからのことを考えると、わたしだってわからないことだらけで不安だ。

父親の名を未だ口にしない彼女の心情を思えば、尚更だろうなと。


そうだ、木島さんにも事の次第を報告しなくては。


そもそも、彼の意見も聞かずに芽衣さんが子供を産むことに賛成してしまって良かったのだろうか、と気にかかった。

彼は同じ家に子供が住まうことに賛成してくれるだろうか?

いや、我慢できるだろうか、というのが本当のところかもしれない。

駅までの道々、そんなことを考えながら家路を急いでいた。

彼に最初にメールを打った後、病室に戻って携帯の電源を切っていたので彼からの返信に気づかないでいた。

『夕食心配無用』

そんなメールが届いていて。

気を利かせて外で食事を済ませてくれているなら有り難い。

慣れない外出で、わたしも相当お腹が空いていた。

確か冷凍ご飯があった筈だ。

一人分なら残り物とお茶漬けで済ましてしまおう、なんて考えながら電車に揺られた。
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