ラララ吉祥寺
「倒れたのは貧血による立ちくらみで、怪我は打ち身程度なので明日には退院できるそうです」
「それは良かった。で?」
促されて、わたしは一瞬強張った。
「まだ続きがあるのでしょう?」
「妊娠、されてるみたいです」
やっぱりね、と木島さんはまるで動じる様子がない。
「なんとなく、そんな感じがしてました。
でも、彼女の周りには男っ気が全く無いし。何か事情があるのかな、と。
で、彼女は産むつもりなのかな?」
そんな確信に迫る問いを、いともあっさりと口にした。
「わたしは産んで欲しいと思ってます」
「私生児になるかもしれないのに?」
それは意図的に放たれた言葉なのか、それともわたしを試す為に発せられた言葉だったのか。
わたしは、単純にその言葉に反応してしまった。