幼馴染はアイドル!!
「ありがとうございましたー。」
俺は店から先にでると、千里を待った。
ちらちら見てくる通行人はいるが、まだ俺だとは気づいてないらしい。
まぁ、普通仏頂面でケータイをいじりながら女性ブランドの紙袋を持った誰だかわからないやつに話しかける勇気のあるやつはそうそういないだろう。
数分後。
口を尖らせながら、千里が店を出てきた。
「もう。先にいかないでよ!探しちゃったじゃん。」
どうやら俺を探していたらしい。
「なにかお探しですか?って聞かれちゃうし。」
俺は、鼻で小さく笑うと、
「やる。プレゼントだ。」
と言って紙袋を渡した。
「ん?なにこれ?」
「さっきのワンピース。」
「え!似合わないって言ってなかった?」
「言ってないぞ。」
似合ってるとも言わなかったが。
「ありがと。」
不思議そうに袋を受け取った千里は、なにかを思い出したように、また来た道を引き返した。
俺は反射的に手を握る。
それに気づいていないのか、千里は進んでいく。
隣に並ぶと、俺は千里の手をしっかりと握った。