私に光を。

袋は受け取ったものの私は首を横に振った。

不思議そうな顔をした男の子から
ペンを受け取ると

『明日には出ていくから気にしないで』

と書いた。

すると男の子は

『なにか思い出したの?』

とびっくりしたように私をみる。

私は首を横に振った。

『それなら、気なんか遣わなくていいから
 なにか思い出すまでここにいなよ』

と真剣な目で私を見つめた。

その目を見て首を横に振ることはできず頷いた。

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