雨が降る日は誰か死ぬ
辺りはすでに薄暗く、人目もない。

チャンスと言えばチャンスである。


トヨには確か、多くの兄妹がいたはずだから、一人くらいいなくなっても……。


健作はふと、そんなことを思った。



「トヨちゃん」


「あっ、お兄さん。こんばんは」



「ダメだよトヨちゃん。最近は神隠しが頻繁に起こってるんだから、こんな時間に一人で歩いてちゃ危ないよ」


「そうですねぇ。急いで帰らなきゃ」


トヨは周りを見回して、人通りがなかったこともあり、急に不安になった。

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