雨が降る日は誰か死ぬ
「すっごく近いね」


ダム湖の駐車場に車が止まると、亜衣が華に言った。


華の家を出てから、まだ3分程しか経っていない。


「私は車に乗れないんだから、遠かったら毎月来れないでしょ」


「えっ、お婆ちゃん歩いて来てるの?」


「いいえ。自転車」


華は孫娘に向かって微笑んだ。


「さぁ、あっちよ」


華が指差した方に向かってみんなで歩き始める。


ところが、さっきまでの快晴が一転、空がグレーに染まり始めていた。

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