雨が降る日は誰か死ぬ
震えながら見つめることしか出来ない二人に向かって、少女はゆっくりと近づいてくる。


広い庭をゆっくりゆっくり近づいてくると、ついに広縁の掃き出し窓に手をあてた。



「イヤぁあ〜〜〜〜〜来ないでぇえ〜〜〜〜〜」


愛がガクガクと震えながら叫ぶ。



泣きじゃくる愛を守るように、桃花は愛の前に手を広げて「来ないで!」と叫んだ。



パニックに陥りかけながらも、桃花はどうすれば良いのか必死で考えていた。

といっても、逃げること以外に助かる方法はないだろう。


少女は窓の外から、恨めしそうに中を覗き込んだまま動かない。

相手が幽霊であるにもかかわらず、桃香はそれを窓に鍵がかかっているからだと思いこんでいた。
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