雨が降る日は誰か死ぬ
しかもよせばいいのに、あっという間にドシャ降りになってしまった。


雨宿りをしようにも、その場所もないし、すれば確実に電車に間に合わないだろう。


啓太が待ち伏せしていなかったら、雨が降る前に駅についただろうけど、

もちろんだからといって、啓太を責めるつもりは、さらさらない。


朋美は少しでも早く辿り着く為に、信号が無く車の通りも少ない、大通りの一本中の用水路沿いの道を選んで、全速力で駅を目指した。


その道で、昨日クラスメイトの、高橋亜理沙が命を落としたことを知りもしないで……。
< 93 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop