雨が降る日は誰か死ぬ
ポツポツと小雨が落ちはじめる。



「あっ、もう行かないと遅刻しちゃう」



「うん」


二人は携帯電話の番号と、メールアドレスを交換すると、その場で別れた。



信じられなかった。ずっと片想いだった人と、実は両想いだったのだ。

そして今、その人が彼氏になってくれた。


彼氏いない歴イコール年齢の朋美にとって、生まれて初めて出来た彼氏。


ところが、弾む気持ちで自転車を漕ぐ朋美の心とは反対に、いつしか空から降る雨は大粒に変わった。
< 92 / 612 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop