サヨナラ 大好きな人【完】
そして男は驚いたよな目であたしを見た
そんなことはお構いなしにあたしは男の胸倉を掴み
「何でこんなことしたのよ」
「___」
当然男は黙ったまま
「來がうざかったから?あの時は助けてくれただけじゃないっ!それがうざかったから刺したのっ!?
來は何もしてないじゃないっ!!刺すならあたしを刺せばよかったでしょ!?
來は、何もしてないのに...っ」
あたしが男の胸倉を離した瞬間新木君があたしの腕を強く掴みその場から離れさせた。
「ぅっ...うぅ...」
「兄さんは生きて病室から出てくるから」
「ぅっ...グズッ」
涙で顔がグチャグチャになりながら
來がいる病室へと入った。
「ら...い...っ」
來はお腹に包帯をぐるぐると巻かれながら眠っていた
何とか顔には傷がなかったからホッとした。
「僕飲み物買ってくるね」
新木くんはそう言い病室から姿を消した。
「ごめんなさいっ」
「ごめんなさいっ」
何度『ごめんなさい』といっただろうか
何十回も言っていたら
うっすらだけど來の目が開いた。