それでも、愛していいですか。
この二日は、ただただ慌しく過ぎていった。
告別式の後、納骨を済ませる頃には、みんなぐったりしていた。
一段落して、みんなでお茶を飲みながら、労をねぎらい合った。
「やれやれだね……みんなありがとうね」
父は大きく息を吐きながら、あぐらをかく。
「お母さん、天国(あちら)で好きだった人に会えたかしらね」
伯母が唐突に言った。
「好きな人?」
「そうよ。おばあちゃん、おじいちゃんと結婚する前、好きな人がいたんだって。でも、その人とは結婚できなくて……。親が決めた相手、つまりおじいちゃんと結婚したって言ってた」
そう言うと伯母は一口お茶を飲んだ。
「へぇ、そうなんだぁ」
祖母の恋愛話なんて聞いたことがなかったので、驚いた。
「ばあさんの頃はまだまだ、結婚相手は親が決めることが多かったからね」
父は湯呑に視線を落とした。